2017年5月1日月曜日

信託行為の当事者

司法書士の谷口毅です。ついに5月になってしまいました。
今日は連休の谷間。ゆっくりと事務所の整理をしたり、普段使っていなかった銀行のサービスを見直したりしています。

さて、今日は信託行為の当事者の話。信託行為とは、信託を設定する法律行為のこと。これは、3種類あると言われますね。

3種類の信託行為とは、
①契約による信託
②遺言による信託
③自己信託
です。

それぞれ、誰が信託行為の当事者になるのかを考えてみます。
①の契約による信託は、委託者と受託者が契約を締結します。
②の遺言による信託は、委託者が遺言を作成します。
③の自己信託は、委託者兼受託者が、公正証書等の方法で意思表示をします。
こうすると、3種類のどの方法で信託を設定するにしても、受益者は信託行為の当事者にならない、ということになります。これは、とても珍しいことですね。

通常の契約では、契約をする当事者が利益を受けたり、不利益を蒙ったりするのは当然のことですが、契約当事者でない者が利益を得ることはありません。もちろん、第三者のためにする契約、などという特殊な契約形態では、契約当事者ではない者が利益を得ることはありますが、その場合でも、受益の意思表示が必要です。

ところが、信託法88条には、下記のように書いてあります。
信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者は、当然に受益権を取得する。

この、「当然に」というところがミソで、受益者は、まったく意思表示をする必要すらない、ということです。民法の原則からいえば、少し考えられないことですね。このような特色があるからこそ、重度の知的障がい者など、意思表示が困難な方であっても、受益者になることができるのです。だからこそ、福祉型民事信託などが可能になるのです。

受益者の意思表示すら要らない、というところから、色々な論点が生まれてくるのですがそれはまた別の機会に。
それでは、今日はこの辺で。
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