2017年4月29日土曜日

民事信託と訴訟

司法書士の谷口毅です。
今日は、信託された財産にトラブルが起きた場合について。
仮に交渉の必要が生じたり、訴訟の必要が生じたら、誰が交渉や訴訟の当事者となるのでしょうか。



もちろん、受託者が交渉や訴訟の当事者となるのですね。
例えば、信託財産に属する不動産について、隣地との境界が不明確であるから、境界確定訴訟を起こしたい場合。受託者が原告になります。
また、賃貸不動産を信託していたところ、賃借人が家賃を払ってくれない場合。受託者が原告になって、明渡請求訴訟を提起したり、滞納家賃を請求したりしますね。
第三者が、信託財産に属する財産を破壊した時の損害賠償請求も、受託者が行います。
火災保険金の請求なども、同じく受託者が行います。
委託者や受益者は、所有者ではないので、信託財産から派生するトラブルに直接関与する必要はないのです。

もちろん、受託者が原告として訴訟を提起することがあれば、逆に、受託者が被告として訴訟を提起されることもあります。

例えば、瓦が落ちて通行人がケガをした。この場合、受託者が被告として訴えられます。しかも、受託者は無限責任を負いますから、信託財産のみをもって支払に充てればいい、というものではなく、受託者自身の固有財産をもって弁済する責任も生まれます。
また、退去した賃借人から、敷金の返還請求訴訟を起こされる可能性もありますね。
受託者の無限責任については、専門家として、とりわけ依頼者への説明に気を遣うところです。

ところで、受託者はこのように、信託財産に属する財産について、訴訟や示談交渉などの当事者になることができることから、これを悪用することはできるのでしょうか?
これについては、またの機会に。

今日はこの辺で。
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