2017年4月16日日曜日

民事信託と遺言の使い分け

リーガルサポートの全国支部長会議が終わりました。
成年後見制度利用促進計画のもと、成年後見制度がどうあるべきか、様々に意見を交わしてきました。

さて、昨日は成年後見制度と民事信託の使い分けだったので、今日のテーマは、遺言と民事信託の使い分け。


 民事信託は、遺言の代わりになると言われます。
例えば、委託者Aさんが、受託者Bさんに、自分の財産を信託するケースを考えます。
Aさんが存命のうちは、受益者はAさん自身であるが、Aさんが死亡したら信託は終了し、残余財産はCさんのものになる、と定めます。
あるいは、Aさんが死亡しても信託は終了しないが、受益者がCさんに変更される、と定めます。
このような定めを置けば、遺言で信託財産をCさんに残すのと類似した効果があると考えられます。
これを、遺言代用信託と呼ぶのですね。

では、遺言代用信託は、本当に、遺言の代わりになるのでしょうか?

遺言の場合、財産の残し方は2種類あると言われます。
1つは、「全財産をCに遺贈する。」などと、財産の内訳を明示せず、全財産について指定するやり方。包括遺贈と呼ばれます。
もう一つは、「この土地はCに遺贈する。」のように、財産の内訳を示して、指定するやり方。特定遺贈と呼ばれます。

前回の記事で述べたように、生前に、委託者の全ての財産を信託するのは、極めて困難です。
信託は、委託者の一部の財産を分離して、受託者に管理を任せるに過ぎないのですね。

すると、信託によって、特定遺贈の代わりはできるが、包括遺贈の代わりは困難である、ということになります。

信託の場合、信託しなかった残りの財産はどうするのか、という点が問題になります。
相続人間の協議に任せるのか、別に遺言を作って対策をするのか、考えないといけません。

このような意味で、信託にも限界がありますから、信託が遺言を超える制度である、などというのは、誇大広告だと思うのです。

遺言がベストの方も、信託がベストの方も、併用がベストの方もいらっしゃるので、その見極めが大切だということになります。
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