おはようございます。
本日の担当は、鳥取の司法書士の谷口毅です。
信託の終了の続き、その3です。
前回の記事はこちらです。
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以前も一度ブログで取り上げた内容ですが、やはり、今でも間違ってしまう方が多いようなので、再度書こうと思います。
以前のブログはこちら → 「危険な信託条項の例~残余財産の帰属~」
信託契約の中で、「委託者兼受益者が死亡した時に、信託は終了する。残余財産の帰属は、委託者兼受益者の相続人全員による遺産分割協議で定める。」という条項を見ることがあります。
しかし、これは誤りです。
なぜなら、遺産分割協議ができるのは、被相続人の遺産についてです。
信託財産に属する財産の所有権は、受託者が有していますので、委託者兼受益者は所有権を有していません。
従って、このような遺産分割協議はできないのです。
この点について、「根拠条文はどこですか?信託法のどこにも書いていませんよ?」という問い合わせをされることがあります。
根拠条文は、民法896条ですね。
「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」というところです。
信託財産に属する財産は、委託者兼受益者が所有しているものではないので、「被相続人の財産に属した権利義務」ではないのですね。
従って、このような信託条項を定めたとしても、無効であると考えることができます。
さて、信託の学校ですが、現在、鋭意、開校に向けた教材作成やホームページの準備に入っています。
作成した教材も、相互のチェックで真っ赤になって返ってきて、第2版、第3版とアップグレードしています。
実務と学術の架け橋になりたい。
そのような理念を掲げて、頑張ろうと思います。
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