2020年4月28日火曜日

新受託者による権利義務の承継 その2

おはようございます。

本日の担当は、東京の司法書士の池田弘子です。

本日は、「新受託者による権利義務の承継」のお話の続きです。

前回の記事はこちらです。
    
新受託者による権利義務の承継 その1
 


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まずは、前回のクイズの答えから・・・・。

クイズの内容は、前回の記事をご覧くださいね。


答えは・・・、「5 受託者の辞任」です。

新受託者が就任すると、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなされます(信託法第75条1項)。

しかし、これには例外があって、それが「受託者の辞任」による場合です。

受託者の辞任(やむを得ない事由で辞任した場合を除きます。)によるときは、新受託者は、その就任した時に、前受託者から権利義務を承継したものとみなされます(同条第2項)。

なぜ、受託者の辞任によるときだけ、新受託者が権利義務を承継するものとみなされる時期が異なるのでしょう?

後任受託者が信託契約等で指定されていたとしても、実際に新受託者が就任するまでには、時間的なブランクが生じてしまう可能性があります。

その間、信託財産がほったらかしにされてしまっては困ったことになってしまいますよね。

新受託者が信託事務の処理ができるようになるまで、前受託者が信託財産を保管して、引継ぎのために必要なことをしてくれればよいのですが、任務の終了事由によってはそうもいかない・・・。

そこで、信託法は、信託財産がほったらかしにされてしまうことを避けるため、受託者の任務の終了事由ごとに、保管者とその権限を規定しています。

続きは次回。

私は、信託の学校では、主に登記手続を担当します。

信託設定時、信託期間中、信託終了時の登記手続きや実務で利用できる書式集をご紹介していく予定です。 




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