2020年6月16日火曜日

信託の終了 その6

おはようございます。

本日の担当は、鳥取の司法書士の谷口毅です。

信託の終了の続き、その6です。

前回の記事はこちらです。
信託の終了        
信託の終了 その2   
信託の終了 その3   
信託の終了 その4    
信託の終了 その5   

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なぜ、民事信託では、信託が終了した後に帰属権利者を変更できないのでしょうか。

遺言では、遺言者の死亡後に、それと異なる遺産分割協議ができることを考えると、バランスが悪く感じますね。

これは、遡及効の有無が原因であると考えられます。

遺産分割協議には、遡及効があります。

つまり、遺言者の死亡時に効力が遡ります。

従って、遺言と異なる遺産分割協議をした場合、被相続人から直接取得した、と扱うことができるのです。



しかし、民事信託で帰属権利者を変更するのは、信託の変更の一種です。

信託の変更には、遡及効の規定は存在しません。

従って、信託が終了した瞬間に、帰属権利者は確定してしまうのです。

その後に、帰属権利者を変更することは、一応、可能なのかもしれません。

しかし、確定した帰属権利者を変更してしまうことになるので、税務上の扱いも、不利益になる可能性が高い、と思われます。(実例に遭遇したことはありません。)



では、民事信託で、この問題点にうまく配慮することはできないのでしょうか。



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