本日の担当は、鳥取の司法書士の谷口毅です。
信託の終了の続き、その6です。
前回の記事はこちらです。
信託の終了
信託の終了 その2
信託の終了 その3
信託の終了 その4
信託の終了 その5
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なぜ、民事信託では、信託が終了した後に帰属権利者を変更できないのでしょうか。
遺言では、遺言者の死亡後に、それと異なる遺産分割協議ができることを考えると、バランスが悪く感じますね。
これは、遡及効の有無が原因であると考えられます。
遺産分割協議には、遡及効があります。
つまり、遺言者の死亡時に効力が遡ります。
従って、遺言と異なる遺産分割協議をした場合、被相続人から直接取得した、と扱うことができるのです。
しかし、民事信託で帰属権利者を変更するのは、信託の変更の一種です。
信託の変更には、遡及効の規定は存在しません。
従って、信託が終了した瞬間に、帰属権利者は確定してしまうのです。
その後に、帰属権利者を変更することは、一応、可能なのかもしれません。
しかし、確定した帰属権利者を変更してしまうことになるので、税務上の扱いも、不利益になる可能性が高い、と思われます。(実例に遭遇したことはありません。)
では、民事信託で、この問題点にうまく配慮することはできないのでしょうか。
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