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長いですね…
ですが、信託の変更はまだ、終わりません。
とても奥が深いのです。
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前回までは、当事者の合意等による変更の規定をみてきました。
本日は、裁判所の命令による信託の変更のお話です。
信託法150条には、裁判所が信託の変更を命じるための要件が定められています。
次のとおりです。
1.信託行為の当時予見することのできなかった特別の事情があること。
2.信託事務の処理の方法に係る信託行為の定めが信託の目的及び信託財産の状況その他の事情に照らして受益者の利益に適合しなくなるに至ったこと。
3.委託者、受託者又は受益者が裁判所に申立てすること。
4.申立は、変更後の信託行為の定めを明らかにして行う必要があること。
5.裁判所は、裁判をする場合には、受託者の陳述を聴く必要があること。
6.裁判所は、理由の要旨を付して裁判をする必要があること。
この要件を見る限り、裁判所の命令による信託の変更は、かなり、限定的であることがわかります。
予見することができなかった特別の事情が必要ですし、その場合でも、信託全般の変更ができるというものではなく、あくまでも「信託事務の処理の方法に係る信託行為の定め」の変更ができるだけです。
裁判所は、信託の目的、受益権の内容や受益者の変更まではできないのです。
さて、裁判所による変更は、どのようなケースを想定しているのでしょうか?
立法担当者は、次の例を挙げています。
●信託設定時には予想できない環境変化が生じた。
●信託契約で信託財産を処分することが禁止されている。しかし、信託財産を処分したほうが、受益者の利益に適合するに至った。
●裁判所が処分禁止の定めを変更して処分を可能とする。
なるほど、このようなケースだと、民事信託でもありそうですね。
しかし、裁判所に変更の判断を求めることは、当事者にとっても、裁判所にとってもハードルが高そうです。
続きます。
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