東京地裁平成30年10月23日判決の5回目。
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さて、訴訟上、原告である父親が、被告である二男に対して主張した内容を見てみます。
1.信託契約の詐欺取消・錯誤無効
父親が、別の者と養子縁組したため、被告は信託を使って遺産を独り占めしたいと企てた。
そのため、二男は、父親に対し、信託をしないと信用金庫が融資をしないと虚偽を述べ、信託するように父親をそそのかした。
二男は信託契約の内容を父親に説明せず、事前の打ち合わせもなく、公証人は案文の読み上げをせず、理解しないまま父親は公正証書に署名押印した。
従って、詐欺により、信託契約を取り消す。又は、錯誤により無効である。
この父親の主張は、裁判所には採用されませんでした。
公証人の尋問の結果、事前の打ち合わせや公正証書の読み上げをしており、父親は、公正証書の内容をしっかりと理解していた、と認定されました。
2.債務不履行解除
信託契約は新築計画の推進を目的としている。
二男が受託者として新築計画を推進したり、あるいは、信用金庫の借入について連帯保証人になることは、二男の義務である。
二男がこれらを拒むことは、債務不履行に該当する。
従って、債務不履行により信託契約を解除する。
この父親の主張も、裁判所に採用されませんでした。
裁判所によれば、新築契約の推進や、二男が連帯保証人になることは、信託契約の内容とはいえない、と判断しました。
上記の、詐欺取消・錯誤無効・債務不履行解除は、いずれも、父親がちょっと強引な主張をしているような印象を受けますね。
続きます。
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