2019年9月27日金曜日

信託の変更 その2

おはようございます。
今日は、大阪の司法書士の岡根昇がお送りします。

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本日は、前回の続きで、信託の変更に関する信託法149条のお話です。
前回の記事は、こちらをご確認ください。
http://www.tsubasa-trust.net/2019/09/blog-post_6.html

信託法149条は、「当事者の合意等による信託の変更」に関する規定です。
この当事者とは、委託者、受託者、受益者の三者のことを指します。
信託法149条は、三者のそれぞれの利益に配慮しながら、合意の当事者、その場合の要件を定めています。
それでは、順を追って見ていきましょう。

委託者・受託者・受益者の合意(三者が関与するパターン)
信託の変更は、原則として、三者の合意で行います。
信託を設定した委託者、信託から利益を受ける受益者の合意が必要だ、ということは感覚的に理解できるのではないでしょうか?

つまり、委託者が決めた信託目的に反するような変更や受益者の利益を害するような変更が勝手にされることのないように、合意の当事者となっているわけです。

では、受託者はどうでしょう?受託者は、信託目的に従って受益者のために信託事務を行う者ですので、わざわざ受託者の利益に配慮して合意の当事者とする必要はないとも考えることができます。

受託者の合意が必要とされているのは、信託が変更されることによって、受託者の負担が増えたり責任が重くなってしまう場合があるためです。

前回の事例で考えてみますと、受託者は収益者不動産の管理だけをするつもりで引き受けたのに、収益不動産の売却や再築までしないといけなくなると、負担が増え、責任も重くなってしまいます。

この点については、信託の終了と比較しておくとより分かりやすと思います。

信託の終了は、原則として、委託者と受益者の二者の合意で行い、受託者は関与しません。

これは、信託は終了するのだから、信託の変更の場合と違って、受託者の負担が重くなったり、責任が重くなることはないと考えられているためです。


次回以降は、三者の合意の例外を条文に沿って見ていきましょう。
それでは今日は、この辺で。

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