2019年10月8日火曜日

信託の変更 その3

本日は、大阪の司法書士の岡根昇が担当させていただきます。


前回の記事では、信託の変更には、委託者・受託者・受益者の三者の合意が原則である、ということを説明しました。


しかし、その原則にも、いくつかの例外があります。
その例外を見てみましょう。





今までの記事は、こちらです。

http://www.tsubasa-trust.net/2019/09/blog-post_6.html
http://www.tsubasa-trust.net/2019/09/blog-post_27.html

メルマガ登録は、下記からお願いします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=2834444jimusho&task=regist


例外1.受託者・受益者の合意(委託者が関与しないパターン)

「信託の目的に反しないことが明らかであるとき」は、受託者と受益者の合意だけで変更できるとされています。

委託者の意思は、信託の目的の中に見出すことができるので、その目的に反しないのであれば、委託者の利益に配慮する必要はありません。

この場合は、三者の合意があるものとして、受託者と受益者の合意だけで変更してもよいでしょう、というものです。

ただ、受託者は、委託者に対して、遅滞なく、変更した内容を知らせないといけないことになっています。




例外2.受託者の単独の意思表示(委託者も受益者も関与しないパターン)

『「信託の目的に反しないこと」及び「受益者の利益に適合すること」が明らかであるとき』は、受託者だけで変更できるとされています。

「信託の目的に反しないことが明らかである」ので、上記2と同じで、委託者の利益に配慮する必要はありません。

また、「受益者の利益に適合することが明らかである」ので、受益者の利益にも配慮する必要がありません。

この場合は、受託者だけで変更してもよいでしょう、というものです。

ただ、受託者は、委託者と受益者に対して、遅滞なく、変更した内容を知らせないといけないことになっています。



例外3.委託者・受益者の合意(受託者が関与しないパターン)

「受託者の利益を害しないことが明らかであるとき」は、委託者と受益者がその合意内容を受託者に伝えることで変更できるとされています。

「受託者の利益を害しないことが明らかである」ので、受託者の利益に配慮する必要がありません。

この場合、委託者と受益者の受託者に対する意思表示だけで変更してもよいでしょう、というものです。


いかがでしょうか。

思ったより、色々なパターンがあって複雑ですね。


他にも、例外のパターンがありますので、次回、お届けいたします。


スポンサーリンク

スポンサーリンク