おはようございます。
本日の担当は、東京の司法書士の池田弘子です。
本日は、「分筆の登記と信託目録」の3回目です。
前回、事例を挙げて、信託の登記がなされている土地を分筆すると、権利部や信託目録がどのようになるのかを具体的に見ていくことにしました。
本日は、その続きです。
事例は、前回の記事をご覧ください。
前回の記事は、こちらです。
本日は、甲土地から分筆された乙土地の権利部や信託目録について、見ていきたいと思います。
まず、乙土地の表題部には、甲土地から分筆した旨が記録されます。
そして、【権利部(甲区)(所有権に関する事項)】欄に、甲土地の登記記録から権利に関する登記が転写され、転写した旨が記録されます。
ここまでは、信託の登記がなされていない土地から分筆された場合と同じ処理です。
でも、信託の登記がなされている土地から分筆された土地は、ただ転写されるだけでは終わりません。
登記官は、乙土地の【権利部(甲区)(所有権に関する事項)】欄に転写された「甲土地の目録番号」を抹消して、新たな目録番号に変更します。
つまり、乙土地について、甲土地の信託目録(令和2年第1号)とは別の乙土地の信託目録が作成され、「乙土地の目録番号」が記録されることになります。
具体的には、以下のとおりです。
【権利部(甲区)(所有権に関する事項)】
(順位番号)(登記の目的)(受付年月日・受付番号) (権利者その他の事項)
1 所有権移転 令和2年1月6日第50号 原因 令和2年1月6日信託
受託者 東京都港区××
B
順位2番の登記を転写
令和2年2月6日受付
第500号
信託 余白 信託目録第1号
順位2番の登記を転写
令和2年2月6日受付
第500号
付1 1番信託登記変更 余白 信託目録第23号
令和2年2月6日付記
【信託目録】
(番号) (受付年月日・受付番号) (予備)
第23号 令和2年2月6日第500号 令和2年2月6日分筆により信託目録
令和2年第1号から転写
~信託目録の以下の記載は省略~
根拠条文は、不動産登記規則第102条第1項の後段と第176条第2項です。
ちなみに、信託目録の目録番号は、1年ごとに更新されます。
ですので、この事例だと、乙土地の信託目録は、乙土地を管轄する法務局において令和2年に作成された23番目の信託目録だということになりますね。
今日はこのへんで。
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