2020年1月28日火曜日

分筆の登記と信託目録 その2


おはようございます。

本日の担当は、東京の司法書士の池田弘子です。


本日は、「分筆の登記と信託目録」の2回目です。

前回の記事は、こちらをご覧下さい。

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前回、信託の登記がされている土地について、分筆の登記ができるか否かは、信託契約等の信託行為の内容しだいということを確認しました。

言い換えれば、信託目録の信託条項から、分筆をすることが当該信託の目的に反するものであると登記官において判断されない限り、分筆の登記をすることは認められるということになります。


民事信託の場合には、一般の方が受託者となります。

ですので、私は、受託者に土地の分筆や合筆する権限を与える場合には、その旨を信託契約に記載して、信託目録にも積極的に記載しておいたほうが良いと考えています。

では、事例を挙げて、信託の登記がされた土地が分筆されたときに、信託目録がどのようになるのかを具体的に見ていきましょう。


受託者はA、分筆する登記は甲土地、甲土地から分筆される土地を乙土地とします。

現在の甲土地は、以下のとおりです。

所有権以外の権利は登記されていないことにしますね。



【権利部(甲区)(所有権に関する事項)】 

(順位番号)(登記の目的) (受付年月日・受付番号) (権利者その他の事項)
   1   所有権保存   平成1年1月8日第100号  所有者 東京都港区××
                                

   2   所有権移転   令和年1月6日第50号   原因 令和2年1月6日信託
                           受託者 東京都港区××
                               B
       信託                  信託目録第1号

  
【信託目録】

 (番号)       (受付年月日・受付番号)      (予   備)
 第1号       令和年1月6日第50号


                              ~信託目録の以下の記載は省略~



甲土地を甲土地と乙土地に分筆した場合、

甲土地について・・・・、

表題部に甲土地と乙土地に分筆された旨が記載されますが、権利部や信託目録は変更なしです。

分筆の登記によって、特段、加筆されることはありません。

信託の登記がされていない土地が分筆されたときと同じ処理です。



乙土地について・・・、

分筆の登記がなされることにより、新しい地番が生じ、乙土地が特定されます。

乙土地の表題部には、甲土地から分筆した旨が記載されます。

そして、【権利部(甲区)(所有権に関する事項)】欄に、甲土地の登記記録から権利に関する登記が転写されます。

でも、ただ転写されるだけではありません。

不動産登記規則第176条第2項の規定に従って、登記官がある処理をします。

中途半端になってしまいましたが、長くなってしまったので続きは次回。



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