2017年9月10日日曜日

受益権の分割とは

司法書士の谷口毅です。
昨日は、滋賀で、民事信託推進センターと滋賀の財産管理協会の共催の研修会で、パネルディスカッションに登壇させていただきました。
今日は、その帰り道に大阪で不動産登記の売主の面談をして帰ってきたところです。



お盆明けから忙しくなって、ブログの更新から遠ざかってしまいました。
改めて再開しようと思います。

今日は、受益権の分割について。

受益者複数と受益権共有」という過去の記事で書かせていただいたとおり、「1個の受益権を複数人で共有する」ということと、「複数の受益権が別々の人に帰属する」ということは、別の概念です。

このような意味で、信託が1個であったとしても、受益権が1個だったり複数だったりする。受益権には「個数」という概念があるのですね。

それでは、もしも受益権が1個しかない場合に、それを2つの受益権に切り分けて、そのうちの1つを譲渡することは可能でしょうか?
これは、もちろん可能です。「受益権の分割」と呼ばれます。

この「受益権の分割」とは、信託の変更の一種であると解されていますので、原則として、信託法149条1項に従い、委託者・受託者・受益者の三者の合意によって決することになります。
もちろん、信託行為の中に別段の定めを置くことは可能です。例えば、「受託者だけの意思決定で受益権の分割ができる」「○○という事由が発生した場合には、当然に受益権が分割される」などという決め方もできますよね。

これと、例えば信託法89条の受益者変更権などをセットで組み合わせると、さらに面白い使い方を考えることができます。

例えば、当初は委託者兼受益者の自益信託にしておき、受益者変更権を受託者に付与する。孫が大学に進学する場合や、子が家を建てる場合などに受益権を分割するとともに、受益者変更権を行使して、その孫や子に受益権を与え、大学進学費用や家の新築費用を援助してあげる。
で、ある程度の金額を援助したら、その受益権は消滅し、ただの自益信託に戻る、などという設計を考えることができます。

よく、信託を使って第三者に贈与を行いたい!などという話を聞くのですが、信託は受益者の利益のために行われるものですので、受益者以外の者に贈与を行うということは、忠実義務違反のおそれがあります。
しかし、このように受益権の分割と受益者変更などを組み合わせることで、それと同じようなことは果たせるのではないかな、と思っているところです。

当事務所では、一般の相談の他、専門家からの有料相談や契約書チェック、勉強会や研修講師なども引き受けております。

それでは今日は、この辺で。

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