2017年8月15日火曜日

信託財産責任負担債務② 信託財産限定責任負担債務とは

司法書士の谷口毅です。
そろそろ、お盆もおしまいですね。
昨日は、鳥取しゃんしゃん傘踊りに出場させていただきました。
今になってから、だいぶ体に疲れが出てきています。


さて、今日も楽しく、民事信託・家族信託の勉強をしましょう。
本日は、「信託財産限定責任負担債務」という言葉について考えます。
前回の「信託財産責任負担債務」に、「限定」の2文字が加わっていますね。

受託者が保有する財産には、信託財産と固有財産の2種類があります。
ま、受託者が複数の信託の受託者になっている場合には、「他の信託の信託財産」というものも考えないといけませんが、この記事では、そのことは考えないことにしまして…

受託者が負う債務というものは、3種類に分けることができます。
①信託財産のみが、責任財産になる債務
②信託財産と固有財産の両方が、責任財産になる債務
③固有財産のみが、責任財産になる債務
の3種類です。


「信託財産責任負担債務」という言葉は、①と②をまとめて呼びます(信託法21条1項)。
「信託財産限定責任負担債務」という言葉は、①のみを指します(同条2項)。

③は、固有財産のみが責任財産です。受託者が信託とは無関係にお金を借りた場合は③に該当し、この場合には信託の倒産隔離機能が働きますから、債権者は信託財産に強制執行できないし、受託者は信託財産から払ってはいけないことになります。

一方、①(信託財産限定責任債務)はその逆で、信託財産のみが責任財産であるわけですから、受託者は信託財産から支払うべきで、固有財産から支払う必要はない。債権者も、固有財産に強制執行はできない。

②は、信託財産と固有財産の両方が責任財産ですので、受託者が無限責任を負っている債務ということです。そうすると、受託者は、信託財産から支払えばよいのですが、信託財産にお金がなければ、固有財産から支払わないといけない。債権者は、信託財産にも固有財産にも、どちらにも強制執行をかけることができる。もちろん、固有財産から支払った場合には、信託財産から償還を受けることはできますけど。

「信託財産責任負担債務」とは①と②の総称で、「信託財産限定責任負担債務」とは①のみを指しますから、概念としては、信託財産限定責任負担債務とは、信託財産責任負担債務のうちの一部である、ということができますね。

まぁ、じゃあ、どのようなものが信託財産責任負担債務であり、どのようなものが信託財産限定責任負担債務なのか、ということですが、これはまた、そのうち見ていきます。

当事務所では、一般の方からの相談、専門職からの有料相談、共同受任、契約書チェック、講演会講師なども引き受けております。

それでは、今日はこの辺で。

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