2017年9月23日土曜日

受益者指定権等3 第三者に受益者指定権等の行使を委ねる場合

司法書士の谷口毅です。
昨日は、ようやく道垣内弘人の「信託法」を読了しました。
学者さんの本だけあって、かなり読むのに苦戦しましたが、4ヶ月かけて少しずつ読み進めました。信託に関する考え方が深まった気がします。
これから、少しずつ民法改正に備えた勉強もしなければ…それ以前に、民法の基礎がちょっと怪しくなっている気がするのですが…




さて、今日も楽しく民事信託・家族信託の勉強をしましょう。
ここ2回、受益者指定権等についての記事を書きました。
受益者指定権等を、誰に行使させるのかは、信託行為の中で自由に定めることができます。
委託者でもいいですし、受託者でもいいですし、その他の第三者でも構いません。

今日の記事では、その他の第三者を受益者指定権者等として指定した場合を考えてみましょう。
ここで疑問になるのは、その第三者の承諾は要らないのか…?という点です。
だって、自分が知らないうちに、受益者を指定したり、変更したりする権利が与えられていたら、気持ち悪いですよね…

信託法89条の条文の中には、この点について明示の規定はないのですが、やはり、その第三者の承諾が必要だと思います。
つまり、委託者が、「信託の目的を達成するために、受益者指定権等を行使してくれ」とお願いをして、第三者が「分かりました。受益者指定権等を私が行使しましょう」と承諾することになります。
すると、これは委任契約の一種であると考えることができます。
第三者による受益者指定権等の行使は、委任事務の一環であると考えられますから、恣意的な受益者指定権等の行使は、そのような意味でも許されないと考えられますね。

受益者指定権等の濫用を防ぐためには、信託契約書を作成する際に、どのような状況であれば行使できるのか、どのような者を受益者として指定又は変更できるのか、ある程度具体的に分かるように決めておくことが大事だと思います。
また、状況によっては、受益者指定権等を行使する者との間で、信託契約とは別の書面によって、濫用を防ぐための取り決めを行っておくことも有用だと考えられます。
まったくのフリーハンドで受益者指定権等を行使できるような定め方は避けておいたほうがいいですし、状況によっては、そのような定め方が無効と判断されるリスクもないとはいえないからです。

それでは今日は、この辺で。

当事務所では、専門職からの相談や契約書のチェック、共同受任、研修会等の講師もお受けしております。

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