2017年9月17日日曜日

受益者指定権等1

司法書士の谷口毅です。
台風は、まだ静か。現在、自宅でのんびりと、排水溝に汚れ分解の強力洗剤をたらしてみたりしています。

さて、今日のテーマは、信託法89条の受益者指定権等です。




まずは、信託法89条1項を見てみます。

受益者を指定し、又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては、受益者指定権等は、受託者に対する意思表示によって行使する。

この条文には、「受益者を指定し」「又はこれを変更する権利」とあります。
つまり、「受益者を指定する権利(受益者指定権)」と「受益者を変更する権利(受益者変更権)」の2つをまとめて、「受益者指定権等」と呼ぶのですね。




「受益者指定権」とは、受益者が誰なのか決まっていない時に、受益者を決める権利。
「受益者変更権」とは、すでに決まっている受益者を変更してしまう権利。
両方まとめて「受益者指定権等」と呼ぶわけです。

考えてみれば、これは非常に強力な権利でして、Aさんに受益者変更権を与えた場合、Aさんの鶴の一声によって、今まで受益者だった人の権利を剥奪して、別の人に受益権を与えることが可能であるわけです。

柔軟な使い方を考えれば、大変面白いことが実現する一方、濫用のおそれも高いわけですから、十分に注意をしなければなりません。

具体的な受益者指定権等の使い方は、また、ゆっくりと書いていこうと思います。

それでは今日は、この辺で。

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