2017年7月28日金曜日

受託者の辞任

司法書士の谷口毅です。
7月は、比較的業務がこみいっておらず、のんびり気味の月でした。
それでも、月末が近くなってくると、それなりに抵当権の設定などの依頼が来ますね。
また、雑誌の執筆等についても依頼があり、また、依頼された業務の中でも、銀行の視点から見た民事信託のリスクなどをまとめて考える必要があったりして、色々と信託について考えないといけないことがありました。
仕事で信託のことを考えると、なんだか信託に疲れてしまって、ブログの更新がおろそかになってしまいますね…よくありません…




さて、今日は受託者の辞任についてです。
私が民事信託の契約書を作成する場合には、ほぼ必ずといっていいくらい、受託者の辞任についての特則を盛り込みます。

なぜかというと、信託法の原則からいうと、受託者は自由に辞任できるわけではないからですね。
受託者が辞任するためには、委託者及び受益者の同意が必要です(信託法57条1項)。
そして、やむを得ない事由がある時は、裁判所の許可を得て辞任できます(同2項)。

このように、受託者の辞任が自由でないことから、将来、障害が発生する可能性もありえます。
例えば、委託者兼受益者が高齢の場合はどうでしょうか。認知症等になってしまうと、その同意を得ることは困難になりますので、辞任することが難しくなってしまいますね。
従って、例えば、委託者兼受益者以外の第三者の同意を得て辞任できるようにする、などという風に特約を定めておくわけです。
また、受益者代理人を置き、その同意を得ることで辞任することができるようにしておく、という定め方もあると思います。

ちなみに、2項の裁判所の許可を得たうえでの辞任ですが、これはやはり「やむを得ない事由」が必要なので、あまり簡単には許可が出ないのではないかと考えられます。
例えば、受託者が長期に入院した場合や、受託者と受益者の信頼関係が長期にわたって損なわれており、しかもその原因がもっぱら受益者側にあるような場合などが想定されますね。

このように、裁判所の許可を得た上での辞任をすることはあまり現実的ではないと考えられますので、受託者の辞任については、契約書の作成段階で考えておいたほうが良いと考えられます。

それでは、今日はこの辺で。
これからも楽しく、民事信託・家族信託について勉強しましょう。
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