2017年7月15日土曜日

受託者の任務終了と新受託者の選任

司法書士の谷口毅です。
昨日は、大阪の士業のみなさんとスカイプでつないで、民事信託の講義。事例に即して契約書の作成をする、という内容でみなさんに取り組んでいただきました。全員、着目するポイントが異なっていて面白かったです。
今日は土曜日。鳥取市の市民後見人養成講座の関係で、午後に少しだけ講師をして、あとはのんびりしていました。


さて、今日も楽しく、民事信託・家族信託の勉強をしましょう。
今日は、受託者の変更について。
受託者が、いつまでもずっと元気で任務を続けることができればいいのですが、そうとばかりもいえません。受託者が死亡したり、後見開始審判があったり、辞任したり、解任されたり、ということもあるかと思います。これらを「受託者の任務終了事由」と言います。具体的にどういう場合に、受託者の任務が終了するのかは、信託法56条に列挙してありますね。

で、受託者の任務が終了したら、新しい受託者に任務を引き継がねばなりません。
もしも、信託行為の定めの中で、後任の受託者を定めていた場合には、その方が新受託者になります。ただ、事前に後任の受託者を決めていても、その方が就任を承諾するのかどうかは分かりません。
従って、利害関係人は、後任の受託者と定められている人に、本当に受託者になるのか確答するように催告できるのですね。そして、一定の期限内に返答がなければ、就任を断られたもの、と扱われることになります。



このように、後任の受託者の予定者に就任を断られてしまった場合や、当初の信託行為で後任の受託者を定めていなかった場合には、どうなるのでしょうか?
この場合には、委託者と受益者の合意で、新しい受託者を選任することになります。

でも、委託者と受益者の合意がうまく整わない場合などもあります。そのように、どうしても必要がある場合は、利害関係人が裁判所に申し立てて、新しい受託者を選任することができます。裁判所の管轄は、前受託者の住所地の地方裁判所です。

もしも新しい受託者が決まらないまま1年間が継続した場合、信託は終了してしまいます。このような形で信託が終了してしまうことや、裁判所に申し立てて受託者を選任してもらうことは、あまり望ましい形とは思えません。

信託契約を作成する際には、このようなことがないように、できるだけ最初から後任の受託者を定めておいて、事前の了解を得ておくことが望ましい、ということになりますね。

もちろん、ケースによっては、必ずしも後任の受託者の適任者が見つからず、苦労することもありますが…

受託者の任務が終了し、新しい受託者を選任し、権利義務を引き継ぐまでの間には、もっと様々なことがあるのですが、それはまた別の機会に。

当事務所では、一般の方の相談の他、共同受任や契約書のチェック、講演や勉強会の講師なども引き受けております。

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