2020年1月21日火曜日

信託事務費用 その2

おはようございます。

本日の担当は、鳥取の司法書士の谷口毅です。



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信託事務費用の続きです。

前回の記事はこちらです。
信託事務費用 その1


受託者は、信託事務に必要な費用を固有財産から支払った場合には、後日、信託財産から償還を受けることができます。

そして、この場合、受託者は、固有財産から立て替えて支払った日以降、償還を受ける日までの利息も請求することができます。

この利息について、特約を結ぶことは少ないでしょうから、法定利率となることがほとんどですね。
すると、民事信託では年5%となります。

ただ、債権法の改正の施行が2020年4月1日に控えていますので、それ以降に固有財産から費用を立て替えた場合は、年3%となりますね。



ここで、ちょっと悪知恵を考えてみましょう。

信託財産には十分にお金がある状態でも、あえて、固有財産の中から、信託事務費用を支払う。

そして、数年後に、利息もたっぷりつけて、信託財産の中から償還を受ける、というのはどうでしょう。

こうすれば、受託者は、信託財産からたくさんの利益を受けることができますね。

みなさん、直感的に分かる通り、このようなやり方は不適切です。

なぜなら、受託者は善管注意義務を負っており、信託財産に不用意に損害を与えることは許されないからです。


いつまでも信託財産からの償還を受けず、利息が膨らむのを待つ、というのは、受託者の善管注意義務違反、と考えられますね。

続きます。

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