2019年9月17日火曜日

委託者の地位の移転の登記

鳥取の司法書士の谷口です。
今日は、信託登記について、登記研究の記事をベースに書いてみました。

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現在の信託法では、委託者の地位は移転できることが明確化されています。
従って、委託者の地位が移転した場合、その登記をしなければなりません。


でも、旧信託法には、委託者の地位の移転に関する規定がなく、委託者の地位が移転できるかが明確になっていませんでした。
ですので、委託者の地位がA⇒B⇒Cと移転していたとしても、その旨の登記はなされていませんでした。


さて、現在の信託法が適用される信託において、信託目録の委託者がAのままとなっている場合、委託者の変更登記は、現在の委託者に合わせるため、一気にA⇒Cと変更登記をしてしまってよいのでしょうか?

それとも、A⇒B⇒Cと、順次、委託者の変更登記が必要でしょうか?


それについて回答を示したのが、登記研究第832号の質疑応答にあります。

「一部改正前の信託法(大正11年法律第62号)の下で信託目録にいわゆる地位移転条項が登記されている場合において、信託行為の定めにより現在の信託法(平成18年法律第108号)の適用を受ける信託としたときは、中間の委託者変更の登記を省略することができない。」というものです。

著作権の関係で全文はあげませんが、順次、A⇒B⇒Cの変更登記が必要と書いてあります。

司法書士の感覚的には当たり前に思えても、信託の登記先例や通達などは少ないですので、自信のなさを感じながら登記にあたることは多いと思います。
数少ない登記先例や通達、質疑応答なども、順次、ご紹介できれば、と思っています。
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