本日は、前回の私の記事「信託目録を信用してはいけない?」をテーマにお話しを続けていきたいと思います。
まずは、前回の復習から・・・、
前回の記事は、こちらですね。
http://www.tsubasa-trust.net/2019/08/blog-post_9.html
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●前回の復習
信託の登記の登記事項は、「信託目録」に登記されている。
第三者はこの「信託目録」をみて、信託契約の概要を知ることができる。
そして、信託目録は不動産ごとに作成されるということでした。
●信託目録の作成権者
では、この「信託目録」は、誰が作成しているのでしょう?。
登記官? 司法書士?
答えは・・・、一言でいうのは難しい(><)。
不動産登記法では、信託目録を作成するのは登記官と規定されています。
ですが、登記申請の構造上、実質的には、登記の申請代理人である司法書士が「信託目録」を作成する役割を担っています。
どうしてそうなるのかというと・・・、
信託目録は、以下の手順で作成されているからなのです。
1 申請人の代理人である司法書士が、信託契約の定めの中から「信託目録」に登記すべきと考える内容を選択、抽出して、「信託目録に記録すべき情報」を作成し、信託の登記の添付書類として法務局に提供(不動産登記令7条1項6号)。
2 登記官は、提供された「信託目録に記録すべき情報」を審査。
審査といってもあくまで形式的審査権の範囲内の審査。
仮に、添付書類として信託契約を提供していたとしても、登記官は、積極的に検証し、補正指示を出して、重要事項の記載漏れや誤植を指摘したり、却下するようなことはないといってよいと思います。
残念ながら・・・。
3 登記官は、審査の結果問題がなければ、「信託目録に記録すべき情報」=「信託目録」 として、「信託目録」を作成(不動産登記法97条3項)。
したがって、「信託目録」を作成しているのは、実質的には司法書士だということになるのです。
そして、ですね・・・、信託目録が厄介なのは、信託契約の中のどのような事項を選択、抽出して信託目録に記録すべきかの基準が、登記実務において確立されていないということ!
普通、登記って、どの司法書士が申請しても同じ記載になるものですよね。
ところが、この信託目録ばかりは、担当した司法書士によって内容が結構異なったりします。
「信託目録に記録すべき情報」の作成は、司法書士の力量が問われる責任の重い仕事なのです。
●信託にかかる登記の依頼を受任した際に事前に確認すべきこと
お客様や友人の司法書士から、「受益権の売買」や「信託財産に属する不動産の売買」の際に、事前確認のため、売主からどんな書類をもらえばよい?と質問をうけることがあります。
あなたなら、まず初めに、どんな書類をもらって信託契約の内容を確認しますか?
今日を最終回にするつもりでしたが話が長くなってしまったので、今日はこのへんで。
次回、私の経験をご紹介しながら、続きをお話ししますね。
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