2019年8月30日金曜日

成年後見制度の欠格事由の見直し

司法書士の谷口です。
鳥取では、少し長雨、くらいで済んでいますが、九州の方は大変な被害が出ているようですね。
知人が何人か九州にいますので、ご無事をお祈りしています。


さて、今日は、成年後見制度の欠格事由の見直しの話です。


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今まで、後見や保佐の審判を受けると、様々な資格制限がありました。
取締役になれない、公務員になれない、司法書士になれない、などなど…

これでは、成年後見制度の利用をためらう市民が増える、ということで、約180の法律が一度に改正されましたね。
成年後見制度を使いやすくするための改正です。
まとめて、「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」と呼ばれるものです。
この中で、信託法も、改正されています。


信託法の改正部分を挙げてみますね。
第7条、56条1項、124条の3つの条文です。


まずは、信託法7条の新旧を比べてみましょう。
違いは、「又は被後見人若しくは被保佐人」を削除したところです。


(受託者の資格)
第七条 信託は、未成年者又は成年被後見人若しくは被保佐人を受託者としてすることができない。

(受託者の資格)
第七条 信託は、未成年者を受託者としてすることができない。


次に、信託法56条1項を比べてみましょう。
違いは、「ただし、」の直後に「第三号に掲げる事由」とあったのを、「第二号又は第三号に掲げる事由」と改正したところです。


(受託者の任務の終了事由)
第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。ただし、第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 受託者である個人の死亡
二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。
三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。
四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。
五 次条の規定による受託者の辞任
六 第五十八条の規定による受託者の解任
七 信託行為において定めた事由

(受託者の任務の終了事由)
第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。ただし、第二号又は第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 受託者である個人の死亡
二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。
三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。
四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。
五 次条の規定による受託者の辞任
六 第五十八条の規定による受託者の解任
七 信託行為において定めた事由


最後に、124条を比べてみましょう。違いは、「又は成年被後見人若しくは被保佐人」を削除したところです。

(信託管理人の資格)
第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。
一 未成年者又は成年被後見人若しくは被保佐人
二 当該信託の受託者である者

(信託管理人の資格)
第百二十四条 次に掲げる者は、信託管理人となることができない。
一 未成年者
二 当該信託の受託者である者


その他、信託業法についても軽く改正はあるのですが、ここでは省きます。
今回は、改正された条文をそのまま挙げてみました。
具体的な中身は、次回、解説させていただきますね。



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