2018年12月21日金曜日

共有者の一部を受託者とする信託

東京地裁判決解説シリーズの最中ですが、本日はお休み。
法務省から信託登記に関して通達が出ました。



現物は、下記のリンクをご覧ください。
H30.12.18民事局民事第二課長通知

要するに、ABCが共有する財産について、ABCが委託者兼受益者、Bが受託者という信託を設定したい場合に、今まで、実務上はすごくやりにくかったのですよね。

AとCが委託者となるのは問題がないけれども、Bは自分が受託者になる。
ということは、B持分についてのみ、自己信託になってしまうのではないか?
すると、登記も、AC持分については契約による信託として、B持分については自己信託として扱わないといけないのではないか?
できれば、一回の登記で、ABCが委託者兼受益者、Bが受託者という登記をしたい。

今回の通達では、このような信託は自己信託ではなく、契約による信託であると解しています。
ABCが委託者、Bが受託者という登記が一の登記申請で可能ですよ、ということを明らかにしたわけですので、共有地の管理に関し、信託の活用の幅を広げたものである、と評価できます。

今まで、法務局により扱いが異なっていたものが統一されましたので、良いことですね。
日司連の委員として、私も、登記の統一性に向けて努力したいと思います。

当事務所では、一般の方からの相談のみならず、専門職との共同受任、契約書チェック、有料相談、研修会講師などもお受けしております。
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