2018年12月12日水曜日

東京地裁平成30年9月12日判決要旨(2)

前回の続きです。
被相続人が、被告(二男)を受託者として締結した信託契約の要旨は、下記のとおりです。
なお、下記の中で「〇〇」は、被相続人のことです。




①委託者兼受益者 被相続人
 
②受託者     被告(二男)
 
③信託の目的 当初委託者の死亡後も、その財産を受託者が管理・運用することによって、被告及びその直系血族がいわゆる〇〇家を継ぎ、お墓・仏壇を守っていってほしいという〇〇の意思を反映した財産管理を継続することにある。〇〇は、祭祀を承継する被告において、その子孫を中心として管理、運用することにより、末永く〇〇家が繁栄していくことを望む。
 
④信託財産 不動産すべて及び金300万円
 
⑤委託者の地位 委託者の死亡により、委託者の権利は消滅する。
 
⑥当初受益者 被相続人
 
⑦被相続人死亡後の受益権
原告(長男)受益権割合6分の1
二女 受益権割合6分の1
被告(二男) 受益権割合6分の4
 
⑧上記⑦の者の死亡後の受益権 被告の子供らが均等に取得する。
つまり、当初受益者死亡後は被告、二女、原告の3名となるが、最終的には被告の子どもに受益権が集約され、二女の子や原告の子には受益権がいかない形の受益者連続型信託です

⑨受益権を有する者が死亡した場合には、その者の有する受益権は消滅し、次順位の者が新たな受益権を取得する。

⑩受益者の意思決定は、信託法105条の規定に関わらず、二女が行う。

⑪受益者は、信託不動産の売却代金、賃料等、信託不動産より発生する経済的利益を受ける。

⑫受益者が複数となった場合には、受益者の一人は他の受益者に対して当該受益者の有する受益権持分の一部若しくは全部の取得を請求することができる。なお、取得する受益権の価格は、最新の固定資産税評価額をもって計算した額とする。

⑫は、ちょっと珍しい条項ですね。
これが有効なのかどうかも、争いどころの1つになりえたのかもしれませんが、本事案では、この条項の有効性は争いになっていません。

続きます。
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