2017年6月11日日曜日

受益権の譲渡の対抗要件

司法書士の谷口毅です。
日曜日ではありますが、なんだか仕事が溜まっており…昨日に引き続いて事務所であれこれと仕事を片付けておりました。


それでは、今日も楽しく民事信託・家族信託を勉強しましょう。
本日は受益権の譲渡の対抗要件の話。
司法書士の発想からすると、対抗要件といえば登記、とすぐに結びつきます。
不動産を信託すると信託目録が作成され、受益者の住所及び氏名又は名称が登記記録に公示されますので、受益権を譲渡した時も、信託目録の「受益者に関する事項等」を変更すれば、受益権の譲渡の対抗要件を得られるように思いがちです。

でも、これは間違っていますね。信託目録の「受益者に関する事項等」を変更しても、受益権の譲渡の対抗要件にはなりません。
受益権というものは、債権であり、物権ではありません。また、不動産だけではなく、金銭や株式などめも含めた、信託財産の全体についての権利であります。
民法177条は、「不動産に関する物権の得喪及び変更」について、登記が対抗要件になることを定めていますが、受益権は「不動産に関する物権」とはいえないので、不動産の登記を対抗要件にはできないものと考えます(僕なりの考えです。)。

従って、受益権の譲渡についての対抗要件は、債権譲渡の対抗要件と同じように考えるんですね。
信託法94条は、受託者に対する通知、または受託者の承諾を、受託者に対する対抗要件にしています。
そして、受託者以外の第三者に対する対抗要件を具備するためには、通知又は承諾を確定日付のある証書をもってしなければならない、ということになります。
民法467条とほとんど同じですね。

なお、今日の記事の参考文献は以下の通りです。(かなりの記事が、この本ベースですけど。)

これからも、楽しく民事信託、家族信託を勉強しましょう。

当事務所では、一般の方や士業の方からの相談、講演依頼、勉強会などもお受けしております。
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