2018年3月2日金曜日

信託の清算手続

司法書士の谷口毅です。
昨日は、東京で河合保弘先生の隠居パーティに出席させていただいていました。
何より、改めて企画力と人脈の広さに驚かされた、感じです。
久しぶりに会う方も多く、楽しませていただきました。




さて、70記事目。昨日に続き、信託の出口論。
ま、僕の中でも考えがまとまっていない部分が多いのですけどね。

まず、信託を学び始めたばかりの方に多い勘違いがあります。
それは、信託の終了事由が発生すると、即時に帰属権利者等に信託財産が給付されて、さっと信託の全てが終わってしまう、というイメージです。
このようなイメージを持っていらっしゃる方、本当に多くて…
違うんです、違うんです、と色んな方に説明を差し上げています。

特に、典型的な間違いのパターンとしては、
「委託者兼受益者が死亡した時に信託が終了する。信託終了時の受益者が帰属権利者になる。」と書かれた契約書の場合です。
委託者兼受益者の死亡と同時に、信託財産が死んだはずの委託者兼受益者のものになり、そのまま相続財産になって、法定相続人に承継される、と考えてしまう方が非常に多いです。
違いますよね…

どうしてこのような勘違いをするのかというと、信託の清算手続きに関する具体的なイメージがないからだと思います。
信託の終了事由が発生したからといって、すぐに財産は帰属権利者等に給付されるわけではありません。

まず、信託の終了事由が発生すると、「受託者」は、「清算受託者」に呼び方が変わります。
そして、
① 現務を結了する。
② 信託財産に債権がある場合は、取立を行う。
③ 信託財産責任負担債務がある場合は、弁済を行う。(受益債権は、まだ弁済しない。)
④ ③の債務を弁済した後に、受益債権に係る債務を弁済する。
⑤ ③④の債務を全部支払った後に、帰属権利者等に財産を給付する。
⑥ 信託事務に関する最終の計算を行い、受益者等の承認を得る

といった手順が必要になります。

帰属権利者等に対して財産を給付するのは、⑤の段階なのですね。
そうすると、信託が終了してから、帰属権利者等に財産が給付されるまでの間には、必然的にタイムラグが生まれることになります。

信託が終了したから、ぱっと財産が帰属権利者等のものになるわけではありませんよ!
ましてや、委託者兼受益者が死んだ場合に、相続手続の中に入り込むわけではないですよ!

ここが分かっていないと、信託の終了や帰属権利者の指定に関して間違った契約書を作ってしまうので、要注意です。
(しかも、間違いに気づくのは数年後だったりしますし…)

それでは、今日はこの辺で。

当事務所では、一般の方からの相談のみならず、契約書のチェック、共同受任、研修講師などもお受けしております。
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