2018年2月28日水曜日

残余財産受益者と帰属権利者

司法書士の谷口毅です。前回の更新が1月16日ですので、約1ヶ月半、間が空いてしまいました。
しばらくの間、ちょっと忙しくて、ブログだけではなく、ピアノからもマラソンからも遠ざかってしまっていました。
少しずつ落ち着くといいなぁ、と思っているところですが…
できれば、ブログを書くくらいの時間はほしいものです。




さて、今日も楽しく、民事信託・家族信託の勉強をしましょう。
今までの記事で何を書いてきたのか、思い出せなくなってきたので、重複するかもしれませんが…
現在、信託は入口論だけが語られることが多く、出口論になるとなかなか分からないこと、怖いことが多い、という印象を持っています。
なので、信託の終了について、簡単なことから書いていきます。

信託の終了事由が発生すると、信託は清算手続に入ります。
清算手続を通じて、残余財産は、最終的に帰属権利者等のものになるのです。

信託法182条の中では、「残余財産受益者」という言葉と、「帰属権利者」という言葉が、別のものとして書かれているのですね。
そして、「残余財産受益者」と、「帰属権利者」をまとめて、「帰属権利者等」と呼んでいるのです。

では、「残余財産受益者」と「帰属権利者」は、どう違うのでしょうか?
どちらも、信託が終了した後に、残余財産を受け取る、という立場に違いはありません。
違いは、信託の終了前にあります。

「残余財産受益者」は、「受益者」という言葉がついていることから分かるとおり、信託が終了する前から、受益者としての権利を持っています。
そうすると、受託者の監督や、受託者の辞任に対する同意権など、信託の継続中から、様々に権利行使をすることができます。

しかし、「帰属権利者」は、受益者ではありません。従って、信託が終了して初めて権利が顕在化してくるものであり、信託の終了前には権利行使ができないのですね。
信託が終了し、清算手続に入ることで、初めて、帰属権利者も受益者とみなされることになります(信託法183条6項)。そうすると、清算手続に至って、初めて権利行使ができることになります。

なので、信託継続中に信託が変更されて、帰属権利者が変わってしまう、という時に、帰属権利者はそれに対して文句を言う権利はありません。信託の変更を甘受するしかないのです。
ただ、残余財産受益者の場合には、受益者ですから、原則として、残余財産受益者を変えてしまうような信託の変更には同意しない、ということが可能です。

従って、信託契約書を作成する際に、「残余財産受益者」として定めるのか、「帰属権利者」として定めるのか、選択することが必要です。
なお、私は、ほぼ全ての契約書で、「帰属権利者」として作成しています。

信託の出口論に関しては、本当に、よく分からないことだらけなのですが、とりあえず今日はこの辺で。

当事務所では、一般の方からの相談のみならず、専門職との共同受任、契約書チェック、講演等の講師もお受けしております。

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