2018年6月15日金曜日

信託における不動産所得の損益通算

司法書士の谷口毅です。
事務所の依頼が少し落ち着いているので、ゆっくりと仕事をしています。
今は、小規模個人再生の書類作成、事業者の破産の書類作成などをしています。
あとは、日司連の委員会の仕事やら、リーガルサポートの支部長の仕事やらをいくつか。

明日は、名古屋で、リーガルサポートの本部総会に参加してきます。



さて、今日は、前回の税務の話の続きです。
信託期間中の収益や損失については、受益者に発生したものとみなすのですね。
法律上の収益は受託者に帰属しても、税務上は受益者に帰属すると扱うのでした。

ここで、気をつけておかないといけないのが、信託を使った場合には損益通算ができないことです。
不動産所得が赤字であれば、普通は、翌年度が黒字の場合に、損益を通算して節税ができます。しかし、信託を使った場合には、赤字はなかったものとみなされ、翌年の黒字にまるまる課税されます。

また、同一の年度であっても、受益者が、信託をした不動産による赤字と、信託をしなかった不動産による黒字を抱えている場合に、信託をした不動産による赤字はなかったものとみなされます。
従って、信託をしなかった不動産の黒字にまるまる課税されます。

根拠条文は、租税特別措置法41条の4の2です。

(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)
第四十一条の四の二 特定組合員(組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員以外のものをいう。)又は特定受益者(信託の所得税法第十三条第一項に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。)をいう。)に該当する個人が、平成十八年以後の各年において、組合事業又は信託から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上当該組合事業又は信託による不動産所得の損失の金額として政令で定める金額があるときは、当該損失の金額に相当する金額は、同法第二十六条第二項及び第六十九条第一項の規定その他の所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかつたものとみなす。
 
この根拠条文は長いのですが、前半は無視して、後半だけを読みます。
「受益者に該当する個人が」「信託による不動産所得の損失の金額」「があるときは」「当該損失の金額は」「生じなかったものとみなす。」
という部分だけを抜き出して読めばわかると思います。

不動産所得で赤字が出るのは、多くの場合、大規模修繕を行った時だと思いますので、そのような予定がある場合には要注意ですね。
 
それでは今日は、この辺で。
当事務所では、一般の方からの相談のみならず、専門職との共同受任、契約書チェック、有料相談、研修会の講師などもお受けしております。
 
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