2017年12月25日月曜日

受益者への給付と受託者の裁量

司法書士の谷口毅です。
1ヶ月以上、間が空いてしまいました。なんだかんだ、忙しかったんですよ~。
不動産登記はびっくりするほど少なかったですけど(汗)、訴訟や競売申立、合併や会社分割、後見人としての不動産売却や建物解体、民事信託関係など、頭を使わないとできない仕事が集中してました。
あと、東京に住んでいたときにお世話になった指揮者の先生から誘われて、ミニコンサートに出演。
しばらく、ショパンのスケルツォ2番の練習に没頭していました。
ようやく一息つきまして、ブログを更新する時間ができました。




本日の日経の記事で、公益信託法の見直しが報じられていますね。
まだ、私も詳しくないので、なにかの検討をしなければなりません。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24542100S7A211C1EE8000/

さて、今日は裁量信託の話。
裁量信託というのは、信託の条文にある言葉ではありません。
受益者に対して、いつ、どのように金銭を給付するのか、ということや、そもそも受益者を誰にするのか、ということに関して、受託者が裁量を持って決めることができる信託のことを言います。

結構、このような信託は多いと感じています。
他の方が作成した民事信託の契約書を見ていても、
「収益から費用を控除した金額のうち、受託者が相当と認める金銭を受益者に交付する。」
「受益者の医療費・施設費その他の生活費として受託者が相当と認める金銭を受益者に交付する。」
などというケースが見られます。

一方、「収益から費用を控除した金額のうち8割を受益者に交付し、2割を将来の修繕のために積み立てる」と定めたり、「毎月10万円を給付する」と定めると、受託者の裁量がなくなり、受益債権の内容が明確に定まることになります。

どちらが良いのかは、一長一短と考えられますね。

受託者の裁量を持たせる信託では、信託設定時には気づかなかった状況変化に対し、受託者が柔軟に対応できるという利点があります。

一方で、例えば受益者が複数いる場合を想定すると、受託者の裁量で給付内容を決めた場合に、複数の受益者にとって不公平な結果を招来する可能性も否定できません。受託者の公平義務に違背しないように配慮が必要です。

また、受益者連続型信託の場合を考えると、第一受益者にたくさんの給付をすると、第二次以降の受益者や帰属権利者等に対する給付額が減ってしまう、という欠点もあります。

金融機関が受益権を質権に入れたい、というような場合に、受託者の裁量によって給付額が左右されるようでは、担保として不適格である、とも考えられます。

このような観点から、受益者に対する給付は、受託者の裁量にするのか、別の第三者の指定に委ねるのか、収益や費用をもとに一定の計算式で一義的に計算できるものにするのか、定額にしてしまうのか、などを選択していくことになると考えられます。

当事務所では、一般の方からの相談のみならず、専門職からの有料相談や契約書チェック、共同受任、勉強会の講師などを引き受けています。

それでは今日は、この辺で。

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